突然発症したこの熱病、勢いだけでどこまで行けるやら?
CNCの仕組みをお勉強 -その2-

前のページで台形ネジが使われていると書いたけど、それって何じゃいという人のために(というか自分の理解を深めるために)もう少しだけお勉強。

普通のネジは、ネジの山が三角形にとがっており、その頂点の角度は60度になっている。つまり、丸棒の周りに断面が正三角形のながーい針金をらせん状に透き間なくびっちり巻きつけたような形状になっているわけ。で、その山と山の間隔をピッチと呼ぶ。つまり、ネジを一回転させた時、ネジピッチの幅だけネジが進む事になる。

台形ネジは、その名の通りねじ山の頭がとがっていない。台形に切り落とされた形をしていて、山の角度は三角ネジの半分の30度が一般的で、三角ネジに比べて何かを固定する用途には不向き、らしい。(理由はよくわからないけどねじ山そのものが三角ネジと比べて摩擦が少なく変形しにくいのが原因じゃないかな)
一方、摩擦が少ないということは、ねじ山がへたりにくく荷重を受けても動きが渋くなりにくい。もっと行くとねじ山の断面が真四角の角ネジなんてのもあるね。(万力やジャッキなど重量物の送りに使用されている)
そんなわけで、台形ネジは機械装置の回転運動を直線の送り運動に変換する仕組みに最も一般的に使われており、コストも比較的安く、精度の方もそこそこある。
これがもっと高精度な送りを実現するのであればナットにボールベアリングを仕込んだ「ボールネジ」というものもあるのだけど、これは高い、あまりに高い。長さ30センチ程度のボールネジとナット一対で数万円なんて信じられる?

んなわけで、「漢」CNCの送り機構には台形ネジを使うことを想定。
それじゃあせめてもう一つの要素、「アリみぞ」に代わるスライド機構を工夫してブルータスより高精度なXYテーブルをなんとか実現したいもの。
で、悩んだ結果、意外にも答えは実は目の前にあった。
そう、プリンターである。

考えてみればプリンターはヘッドを左右に振りながら紙を送る、XYテーブルと同じ2軸の動作で印刷をしている。このうち、紙送りはローラー方式なので参考にはならないが、インクヘッドを左右に振る仕組みは滑らかな金属の丸棒の上をヘッド部分が滑るように動いて実現している。これをリニアシャフトと言うらしい。
早速Googleで検索してみると、おおぅ、あるある。例えばここ

これはいい!と思ったのだけど、実は欠点もある。
リニアシャフトは両端だけを固定して真ん中は空中に浮いた形になっている。だから 「漢」CNCのような大型のXYテーブルを作ろうと思うと、50センチ以上の長いスパンが必要になる。つまりシャフトに荷重をかけると真ん中で たわんでしまうのだ。もちろんそれなりに太いシャフトを使えばたわみは最小限に抑えられるのだけど、構造上どうやったって変形は避けられない。エンドミルが上からガリガリ加工するとしなりもでる、はず。うーん、たとえわずかでもこれは痛いような気がしない?


中央に細長く見えている
長ネジ(台形ネジ)


ネジ断面形状の違い


エプソンの旧型プリンターMJ770C
光っているのがリニアシャフト